Nikon Zシリーズのユーザーにとって、35mm単焦点レンズはスナップ撮影やポートレート撮影に欠かせない存在です。しかし、NIKKOR Z 35mm f/1.8 S(125,400円)とNIKKOR Z 35mm f/1.2 S(437,800円)のどちらを選ぶべきか、迷っている人も多いのではないでしょうか?
価格差は約3.5倍、重量差も約3倍。この違いは単なる明るさ(F値)の差だけではありません。本記事では、描写性能・実用性・コストパフォーマンスの観点から、この2本のレンズの選び方を解説します。
また、Fマウントの35mm f/1.4GとZマウントの35mm f/1.8 Sの比較も交え、乗り換えを検討している方にも役立つ情報を提供します。
1. 価格・サイズ・重量の違い
レンズ名 | 価格(税込) | 重量 | F値 |
---|---|---|---|
NIKKOR Z 35mm f/1.8 S | 125,400円 | 約370g | f/1.8 |
NIKKOR Z 35mm f/1.2 S | 437,800円 | 約1,090g | f/1.2 |
価格差は3.5倍以上、重量差は約3倍。
- 持ち運びやすさを重視するなら f/1.8 S
- 最高の描写を求めるなら f/1.2 S
特にスナップ撮影や旅行用途では、1.1kgのレンズを常に持ち歩くのは負担になる可能性があります。逆に、ポートレート撮影や作品撮りが中心なら、f/1.2の描写力は大きなメリットになります。
2. 明るさ(F値)による違い
F値が違うと何が変わる?
f/1.2はf/1.8よりも約1.5段分明るいため、以下のようなメリットがあります。
しかし、F値が小さいほどレンズ構成が複雑になり、大型化・高価格化するというデメリットもあります。
また、Zマウントの35mm f/1.8 Sは、Fマウントの35mm f/1.4Gと比較しても画質が向上しているため、F値の違い以上に光学性能の進化が感じられます。
3. 描写性能の違い(解像力・ボケ・収差補正)
解像力
- f/1.2 Sは開放からシャープで、隅々まで高解像度。
- f/1.8 Sも高性能だが、f/1.2 Sほどの解像力はない(特に開放付近)。
- Fマウント 35mm f/1.4Gと比較すると、Z 35mm f/1.8 Sの方が周辺部までシャープな描写が可能。
ボケの質
- f/1.2 Sのボケは非常に滑らかで、前ボケ・後ボケともに自然。
- f/1.8 Sはやや硬めになることがある。
- Fマウント f/1.4Gのボケは開放時にややフリンジ(色ズレ)が出ることがあったが、Z 35mm f/1.8 Sは改善されている。
結論:持ち出すかどうかが最重要
もし「最高の描写が欲しい!」というこだわりがあるなら、迷わずf/1.2 Sを選ぶべきでしょう。でも、日常的に使えるレンズを求めるなら、f/1.8 Sこそが後悔しない選択肢かもしれません。
レンズ選びは「スペック」だけではなく、「実際にどれだけ使うか」で決まります。持ち出しやすさは重要なポイントですが、一方で最高の描写力を求めるならば、多少の重量や価格の負担を受け入れる価値があるかもしれません。
どちらの選択肢もメリットとデメリットがあるため、自分にとって後悔のない選択が何かをじっくり考えてみてください。