ストックフォトを効率的に制作するには、テーマごとに計画的にバリエーションを作ることが重要です。この記事では、具体的な方法と実践のポイントについて解説します。
写真の基本的なバリエーション(7選)
1. メインの被写体
テーブルセッティングの小物の使いかたなどでバリエーションをつくります。複数の被写体がある場合は前後を入れ替えて撮影したりしてバリエーションを作ります。
2. サブの被写体(小道具など)
メイン以外の被写体や小物も、ついでに撮影しておくと素材として役立つ場合があります。
3. 背景
- 白背景
- 黒背景
- 木目
4. その他のアイデア
撮影中にひらめいたアイデアや、その場で試せそうなものを積極的に取り入れましょう。意外とユニークな素材が生まれることがあります。
5. 縦横
- 縦位置
- 横位置
6. 引きと寄り
- 通常の撮影
- アップ(さらにクローズアップする場合も)
- 引きでコピースペースを作成
コピースペースは被写体に応じて、左寄せ、右寄せ、上寄せ、下寄せのいずれか1種類に絞ると良いでしょう。
7. アングル
- 通常目線(斜め45度など自然な目線)
- ローアングル(真横や下から煽る視点)
- ハイアングル(俯瞰、真上からの視点)
実際のバリエーションの計算
これらを組み合わせると、以下の通り基本のバリエーションが作成できます:
- シチュエーション(メイン、サブ、白背景、黒背景、木目、その他)
- 縦横(縦位置、横位置)
- 引きと寄り(通常、アップ、コピースペース)
- アングル(通常目線、ローアングル、俯瞰)
計算すると、5 × 2 × 3 × 3 = 90通り のバリエーションが可能です。
効率的なバリエーションの作り方
- 寄りの制限:メインシチュエーションで寄りを撮影した場合、白背景や黒背景、木目では似たようなカットになるため省略。
- コピースペースの絞り込み:被写体に最適な1種類のみに限定し、類似写真がサイトに並ぶのを防ぐ。
- 適切な向きと表情の選択:被写体の向きを調整し、表情違いは3パターン程度に留める。
このような調整により、実際のバリエーションは60通り になります。
最終的な選定と公開の工夫
私の場合、60通りの中からさらに 20〜30枚程度 に絞り込みます。その理由は以下の通りです:
- 画像の補正が追いつかない:1日で補正できる枚数は20〜30枚が限界。
- 似た写真が並ぶのを防ぐ:60枚ものバリエーション違いが並ぶと、購入者にとって圧迫感を与えてしまう。
さらに、絞り込んだ写真以外は後日処理したり、1年以上寝かせてから再公開することもあります。この方法により、以下のメリットが得られます:
- 処理の仕方が変わる
- 同じ写真がポートフォリオに並ぶ可能性を減らせる
特に海外のストックフォトサイトでは、同じシチュエーションの写真が多いと容赦なく却下されるため、このような工夫が重要です。
まとめ
効率的に撮影しつつ、購入者目線でバリエーションを考えることで、ストックフォトの質と販売効率を高めることができます。ぜひ参考にしてみてください。