「ストックフォトって、無個性な写真ばかりだよね」
そんなふうに言われることがあります。
たしかに、どこかで見たような“よくある構図”“汎用的なシーン”が多いのは事実です。
でも、それがすべてかというと、実はそうでもありません。
たとえば Getty Images などを見てみると、
ちゃんと個性的な作風で勝負しているストックフォトグラファーが大勢います。
トーン、ライティング、構図、被写体の切り取り方に、その人の「らしさ」がしっかりにじんでいる。
商業利用される素材であっても、作家性は共存できるんです。
私の楽しみ方:「広告写真大喜利」
私は、ストックフォトを「広告写真大喜利」だと思って取り組んでいます。
たとえば、よく検索されるテーマ「カレーライス」。
一見ありふれたテーマだけど、その中でいかに他と差別化し、
個性を出しつつ、広告で使いやすい写真を提供できるか。
この“制約の中の勝負”が面白いんです。
工夫の例としては、たとえばこんな感じです:
- 食べかけのスプーンを写して人の気配を演出する
- 雨の日の窓際でしっとりとした家族の時間を感じさせる
- 真上から撮ってパッケージ風に仕上げる
ただの「おいしそうなカレー写真」ではなく、
「こういう広告で使ってもらえるかも」と想像しながら作っていく。
それが、私にとってのストックフォトの楽しみ方のひとつです。
制限があるからこそ、創造性が育つ
写真は本来、自由な表現手段です。
でもストックフォトは“使ってもらう”ことが前提にある分、
「自由すぎて伝わらない」写真は選ばれにくいという難しさがあります。
だからこそ、広告として成立させる枠の中で、どれだけ自分らしさを出せるかが問われる。
このバランス感覚を鍛えることは、他の仕事や表現活動にもきっと活きてくると思っています。
まとめ:楽しみ方は人それぞれでいい
AI生成のイラストもやってきましたが、私にとっては「楽しいかどうか」が大事な基準。
売れるかどうかより、自分が作っていて面白いと感じられるか。
その視点に立ち返って、改めて写真のストックフォトという表現に向き合っているところです。
ストックフォトは、無個性でも、大量生産でもない。
工夫と発想次第で、表現にもなり、遊びにもなる。
それが私にとっての「広告写真大喜利」。
これからもそんな感覚で、日々楽しんでいけたらと思っています。